少し前までは素直に言うことを聞いていたのに、最近、何かにつけ反発してくる…そんなことはありませんか。急に口答えが増えたり、口が悪くなったり、親の行動を批判してきたり。それは、中間反抗期かもしれません。
「6歳の娘がまったく言うことを聞かないのでイライラします。4~5歳頃は、素直に言うことを聞いてくれていたのに。どうすればいいでしょうか。」
今回は、このような相談にお答えします!
反抗期の種類
人生には、大きな反抗期が2回あると言われています。2歳頃にやってくる「第一反抗期」と思春期の「第二反抗期」です。
近年では、この「第一反抗期」と「第二反抗期」の間に「中間反抗期」があると言われています。
年齢の目安
第一反抗期…2~3歳
中間反抗期…6歳~10歳
第二反抗期…12歳~16歳
年齢はあくまでも目安です。反抗期の始まりや終わりの時期、長さ、表れ方などは個人差があります。
中には、反抗的態度が目立たない子もいるため、親が反抗期に気づかない場合もあります。
年長~小学校低中学年の子どもの姿
社会性が大きく伸びる
親に頼り切りだった時代から脱却し、友達との関わりを増やしながら成長していく時期です。幼児期、家族中心の狭い世界で過ごしていたのが、友達数名のグループで行動するようになり、世界が広がりを見せます。外の世界でいろいろな友達と出会うことで、対人関係の基礎体験を重ねていきます。友達の影響を受けやすくなるとともに社会性を養う大切な時期と言えるでしょう。
論理的な思考力が伸びる
物事を論理的に考える力が育ってくる時期なので、自分なりの理論で一生懸命に考えて、訴えてくる姿が見られます。ただ、その理論は筋道が立っていないことが多く、大人目線では「屁理屈」と思えるため、接し方が難しく感じるかもしれません。
親離れの第一歩を踏み出す
親に依存していた状態から抜け出し、自立しようと動き出す時期です。本格的な自立に向けた第一歩を踏み出す時と言えるのではないでしょうか。子どもも親離れをしようとしていますから、親も少しずつ手を離していけるといいですね。
大人を否定ながら自我を確立していく思春期の反抗期への練習期間と言えるでしょう。
中間反抗期の特徴
すぐに口答えや屁理屈を言う
大人の言うことに対し、とにかく言い返してきます。第一反抗期の頃には見られなかった口答えや屁理屈が増えます。これまでとは違うスタイルで反発してくるので、戸惑う親も多いようです。
親の注意を素直に聞くこともできません。ああ言えばこう言うという姿で抗います。
口も態度も悪くなる
まず否定から入ってきて、いちいち突っかかってきます。友達関係の広がりから、良くも悪くもいろいろな言葉を覚えるため、口が悪くなることもあります。
良くない態度や言葉を使って、癇に障ることばかり言うので、ついイライラしてしまう機会が増えます。
自分でやりたがり決めたがる
これは、すべての反抗期に共通する特徴ですね。自立心が芽生えた中間反抗期も例外ではありません。どんなことでも自分でやりたがり、決めたがります。
外ではいい子
家では態度が悪いのに、外では「いい子」という場合が多いです。幼稚園や小学校の先生に「学校では、素直ですよ。みんなのお手本となってくれています。」などと言われ、家とのギャップに驚いてしまったという話も珍しくありません。
友達関係を大事にするこの時期は、友達とうまくやっていくために、いい子でいようと頑張ります。その反動が家での反抗的な態度として出てしまうのでしょう。
親より友達の意見を重視する
この時期は、親の指示や干渉を嫌がり、友達の考えや仲間との約束を優先するようになります。親としては気になってしまいますが、子どもの視野が広がった証でもあります。過干渉、過保護、過指示をしないように心掛けることが大切です。
実は甘えたい
小学校入学とともに、環境が大きく変わります。適応するのは、子どもにとって大変なことなのです。幼稚園や保育園ではなかったストレスを無意識に抱えていることも少なくありません。
反抗的な態度の裏には、本当は甘えたいという心が潜んでいることを理解してあげましょう。
対応のヒント
ある程度は放っておく
中間反抗期は、親離れ&子離れのスタートを切る時期です。少しずつ距離をおいて、子ども自身の意思に任せるようにしていけるえておいいですね。絶対に守らなければならないこと以外は、放っておくことがおすすめです。
まずは言い分を聞く
言うことを聞いてほしいからと言って、頭ごなしに言うことを聞かせようとするのはNGです。まずは、子どもの話を聞いてあげることが大切です。
人は、自分の話を聞いてくれる人に心を開き、相手の話も聞こうとするものです。 (絶対に間違っているとわかっていても)子どもの言い分に耳を傾け、「聞き手」に徹することがおすすめです。
納得していないことを無理強いしない
「親の言うことは絶対」というスタンスで話すと子どもは納得しません。納得できない指示を受け入れるのは大人でも苦痛な行為ですよね。子どもも同じです。
家族のルールは、子どもと一緒に作っていくのもおすすめです。自分もルール作りに参加したのであれば、納得感を持って守ることもできると思います。
子どもの友達を否定しない
よほどのことがない限り、子どもの友達関係には口出しするのはやめましょう。交友関係の広がりとともに様々なタイプの友達と出会います。中には、言葉遣いが悪い子や動作が荒々しい子との出会いもあるかもしれません。親心としては気になるところですね。でも、親にとっては気になる子でも、子どもにとっては自分で選んだ大事な友達です。その気持ちを尊重し否定するのは控えましょう。自分が選んだ友達の批判は、自分自身の否定に聞こえてしまいます。
幼児扱いから卒業する
これまでとは違った形で反抗してくるのは、自立に向けてステージが一つ上がった証拠です。 子どもなりの正解や価値観を持ち始めるようになります。 幼児扱いは卒業し、少しずつ少しずつ大人と対等な接し方に近づけていくことがおすすめです。
一人の人として、自分を認めてもらえたという実感が、子どもの自信となり、自我を健やかに育てていきます。
いつでも甘えられる存在になる
友達との世界がメインになる分、思い通りにならなかったり、衝突が生じたりなど人間関係のトラブルが増えます。外で我慢して頑張っている分、家では甘えたくなるでしょう。親にぶつかってくることも多いですが、愛情は変わらず注ぎ続け、いつでも甘えられる存在でいてあげることが子どもの安心につながります。
最後に
素直な子に育ってほしいという願いを聞きますが、本当に素直な子というのは、自分の思いを表現できる子どものことだと思います。親の言うことを全部聞く子が素直な子ではありませんね。
「言うことを聞かない」行動は、子どもの成長に欠かせないプロセスの一つです。精一杯の言動で、一生懸命に反抗してくるのは、成長しているからこその姿です。ご自身の子育てがうまくいっている証とも言えますね。
反抗期の対応の基本スタンスは「見守る」です。子どもが発する否定の言葉は「パパ・ママ見守ってて」と変換し、上手に手を離してあげながら、あたたかく見守ってあげたいですね。
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