子どもの好き嫌い…原因や対応は?偏食との違いも紹介

子育て相談
スポンサーリンク

子どもの食事に関する相談で、ダントツ1位が「好き嫌い」です。
子どものことを考えて毎日一生懸命料理しているのに、口をつけてくれない…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
子どもはなぜ好き嫌いをするのでしょうか。
子どもの好き嫌いは、ほとんどの子どもに起こること。
あまり無理せずにゆったり気長に構えることが大切です。

「2歳3ヶ月の娘です。好き嫌いが多くて困ります。特に野菜が嫌いで、肉ばかり食べたがります。栄養面でも心配です。どうすればバランスよく食事を摂らせることができますか。」

今回は、このような相談にお答えします!

子どもに好き嫌いが多いのはなぜ?

本能で食事をするから

生理学的の基本味は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五味と位置づけられています。
最近では、ママのお腹にいる頃から既に味蕾(味を感じる器官)ができていると言われています。
そのため、生まれてすぐの赤ちゃんでも母乳の中にある甘味、うま味、塩味を自然に受け入れることができます。
でも、酸味と苦味は嫌がります。
酸味は腐敗の味、苦味は毒の味と認識されるため、本能的に受容できないのです。
ピーマンやトマトを嫌がるのも頷けますね。

味覚が敏感だから

味を感じる場所である「味蕾」は子ども時代に発達します。
その数は、30代~40代頃には子ども時代の1/3、70代になると半数ほどまで減少すると言われています。
味蕾の数が多いほど味覚を強く感じます。
そのため、子どもは大人がわからないような薄味や味の変化、苦味や酸味にも敏感に反応します。
子ども時代は食べられなかったクセのある食品が大人になったら食べられるになったという話もこのメカニズムが絡んでいます。

経験がないから

人間には、ネオフォビア(新奇性恐怖)があります。
ネオフォビアとは、新しいもの(人、体験、環境など)への恐れや不安を感じる心理的傾向のことです。
食においては、新しく知らない食品に対する恐怖です。
子どもの食事も同じです。
初めて見る食材はちょっと怖く、警戒します。
生まれてからまだ数年しか経っていない幼児は、食体験も少ないのですから知らない食材に出会うことも多くなります。
この心理的傾向から、目新しい食品を口にしないことがあるのです。

好き嫌いへの対応や改善のヒント

「楽しい食事」の雰囲気を作る

好き嫌いの前に、食事そのものを好きになることが大切です。「食事って楽しいな」と思える雰囲気作りを心掛けましょう。
できるだけ家族全員で食卓を囲み、会話を弾ませながら食事をするのが理想です。忙しい場合は、5分だけでもいいので一緒に食べる時間を作ってみましょう。
会話も難しく考えることはありません。「おいしいね」と言いながら、パパやママが笑顔で美味しそうに食べる姿を見せるだけでも十分です。
子どもにとって食事が心地よい時間になることは、食育の基本です。

無理やり食べさせない

食べてくれないと何とかして食べてほしいと声をかけてしまいたくなりますが、無理やり食べさせても好き嫌いの改善にはつながりません。
食べなくても気にせず、パパやママが美味しそうに食べる姿を見せるところから始めましょう。
自分から手が伸びるその時まで、何回も食卓に出すことがおすすめです。
根気が必要ですが、いつか食べられるようになる成長を信じましょう。

調理法や盛り付け方を変える

日々の食事をよく観察し、口にしやすい切り方や興味を持った盛り付け方を試してみましょう。
切り方を変えるだけで食べてくれるようになったという話もよく聞きます。
いつもとは違う食器を使って、気分を変えるのもいいですね。

盛り付ける量を減らす

なかなか食が進まない場合は、盛り付ける量を減らすといいでしょう。
ほんの一口、一切れだけ盛り付け、「全部食べられた!」という達成感を味わわせると効果的です。
子ども自身も「出されたものは残してはいけない」ことはわかっています。
苦手なものを食べられたら自信がつき、次からの前向きな食事にもつながるでしょう。

(2~3歳であれば)食べ物を擬人化する

2~3歳であれば、食べ物に心を吹き込んで、身近に感じさせるのもおすすめです。
「ピーマンくんが『ぼくのこときらいなの?』って泣いてるよ。」などと声をかけると、「ピーマンくんのために」がんばってくれる場合があります。

食べたらすぐにほめる

時には周囲の大人の励ましや笑顔に背中を押されて、自ら食べるアクションを起こすことがあります。
そのような時は、すかさずほめてあげましょう。
主体的にがんばったことを認めてもらえるとうれしいものです。
次回からのやる気につながります。

生活習慣を見直す

好き嫌いがあると、「食事」ばかりに目が行ってしまいます。
でも、食事は生活全体の一部です。
生活リズムを今一度見直し、食事前にしっかりお腹を空かせているかを確認しましょう。
睡眠不足や運動不足、間食の量や時間が食が進まない原因ということもあります。
空腹は最高の調味料です。

甘い物を食べたがる…おやつとの付き合い方

「好き嫌い」と「偏食」の違い

幼児に限らず大人でも食べ物に好みはあります。
人間は、食べ物に好き嫌いがあるのは当たり前のことです。
一方、偏食は食べるものの種類が極端で限定的なことを言います。
どちらも、食べ物に対しての好き嫌いがあることは共通していますが、それぞれの持つ意味に少し違いがあります。

・好き嫌い…食品に対しての「好き/嫌い」があること
 →嫌いだけど無理して食べるという人もいます。
・偏食…好き嫌いが激しく、特定のものだけを食べること
 →嫌いなものは絶対に食べない、好きなものしか食べない、特定の食べ物のみ食べ続けるという人のことです。

「好き嫌いが激しい=偏食」と考えるとわかりやすいですね。
子どもはまだ食事の経験値が低く、本能で食事をしている段階です。
子どもがピーマンを口にしなくても、いきなり「偏食」とはなりません。
まだ、苦みのある味を食べられるようになっていないだけなのです。
「作った料理を食べてくれない」と親が自信を無くす必要もありません。

最後に

食事は生きるために欠かせない大切な活動です。
子ども時代の多くの食体験が、その子の味覚を作ります。
食の幅は広く持つ方が、豊かな人生を送ることができるのは確かです。

でも、食事は毎日続くことです。
子ども達のために休むことなくご飯を作り続けなくてはなりません。
肩肘を張らずに、焦らず、ゆったり構え、できることを少しずつ実践してください。
パパやママの笑顔が子どもの前向きな食を育てます。

コメント

  1. […] 子どもの好き嫌い…原因や対応は?偏食との違いも紹介 […]

タイトルとURLをコピーしました