お絵かきが苦手な子ども…お絵かきをするメリットは?描画の発達段階も紹介

子育て相談
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子どもの遊びの代表格のお絵かき。好き嫌い、得手不得手を含め個人差がありますね。子どもの発達におけるお絵かきのメリットは何でしょうか。そもそもお絵かきにも発達段階はあるのでしょうか。お絵かきについてみてみましょう。

「3歳5ヶ月の息子(年少)です。お絵かきが苦手です。お絵かきに誘えば一緒に描きますが、それほど好きな遊びではなさそうです。顔を描いてもなぐり描きのような絵しか描けません。このレベルでも大丈夫でしょうか。」

今回は、このような相談にお答えします!

子どもの絵の発達

子どもの絵は「描画発達」と呼ばれる発達段階があります。年齢はあくまでも目安です。表現の内容は、思考力、心の成長、手先の器用さ、性格、好き嫌い、環境など様々な要因が絡み、変化や成長をしていきます。

スクリブル期→錯画期:1歳半~2歳半頃

はじめてのお絵かきで見られる「なぐりがき」。これをスクリブルといいます。
1歳半前後の初期段階では、筆記具をグーの形で握り、手近なものに打ちつけた結果、点や短い線が描けるという描き方です。まだ目的と手段が分化していない時期です。
くり返し描いているうちに、肘を支点にして往復のある直線を描けるようになります。
次第に、ぐるぐる状態に円を描く「円錯画」が見られるようになり、独立した形も現れます。

象徴期(命名期→前図式期):2歳半~4歳

線や形を思いつくままに描いていき、その絵に「ママ」「りんご」「いぬ」と名前をつけます。
何を描くのかを決めてから描くのではなく、絵を描いた後に意味を持たせ、命名します。「命名期」や「意味付け期」とも呼ばれます。
次第に、独立した円が描けるようになります。その後、円から直接手足が生えた人(頭足人)を描くようになります。
色は対象物そのものと関係なく、自分の好みで描きます。(りんごであってもその日の好みがピンクであれば、ピンクのリンゴを描きます。)

前図式期→図式期:4歳~9歳

太陽、雲、家、人など、知っているものや頭に浮かんだものを脈絡なく描きます。図式のように並べて描くのが特徴です。このため、「カタログ期」とも呼ばれます。
図式期は、基底線が現れるのも特徴の一つです。基底線にはいろいろな意味があります。絵の上下を分けた地面と空を決める線、部屋の四角い囲い線、運動会でのグランドの線なども基底線の一種です。
他に、家の中や電車の中も描く「レントゲン画法」や箱を展開図のように描く「展開画法」なども見られます。

前写実期→写実期9歳

対象物の姿通りに描くようになります。自分の描いた絵と実物を客観的に比較しながら、そのものの絵を忠実に描くようになり、写生へ向かっていきます。
奥行きや重なり、立体的な表現ができるようになります。空間関係の表現も現れ始めます。

お絵かきのメリット

思考力が育つ

上手に描くにはどうしたらいいか、限られた広さの中におさめるにはどうしたらよいか、この色を出すにはどの色の組み合わせがいいかなど、絵を描くには工夫や試行錯誤はつきものです。この体験が思考力を育むのです。

脳への良い刺激になる

手指の神経は、脳と直接つながっています。手指は「第2の脳」と呼ばれるくらい、脳と密接に絡んでいます。お絵かきで手指を細かく動かすことで脳に刺激を与え、良い影響を期待できます。

手先の巧緻性が養われる

思い通りの絵を描くためには、筆記具を使いこなさなければなりません。クレヨン以外の様々な画材を使うことで、手指を使う体験が増え、手先の巧緻性が養われます。

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文字書きの基礎を作る

文字も筆記具を使って書く作業です。お絵かきで身につけた筆圧、運筆力、手首や指が柔らかく動くスキルは、文字書きの基礎となります。

心が安定する

お絵かきは、アウトプットの作業です。絵を描くことを通して、心に溜まっていたストレスを発散させることができます。感情を表に出すことで、心の安定につながります。

空間認識力が養われる

一枚の紙に広がる場面を考えながら描くことで空間認識力が育ちます。くり返し描くことで、対象物を立体的にとらえる、描きたいものの配置やバランス、奥行きや大きさを考えることができるようになります。小学校以降の図形学習でも役立ちます。

感性が豊かになる

お絵かきを通して、ものを細部まで観察したり、いろいろな色を見たり、画材を触ったり、イメージしたりすることで感覚器官が刺激され、豊かな感性の育ちにつながります。

対応のコツ

お絵かきは、子どもの成長にとってメリットが高いことがわかりました。家でもたくさんの絵を描かせてあげたいですね。以下、子どもへの対応のコツを参考にサポートしてあげましょう。

・描いた絵を否定しない
・周りの子と比べない
・見本を描きすぎない
・見本ではなく描き方を教える
・年齢に合った筆記具を与える
・絵描き歌やアプリを活用する

最後に

お絵かきは絵の技術だけでなく、成長過程において様々な側面から様々な効果があることがわかりました。
大切なことは「いかに上手に描けるか」ではなく、「お絵かきって楽しい!」と思えるかです。
発達には個人差がありますので、周りのお友達と比べて上達が遅くても焦らずにあたたかく見守ってあげることが大切です。

コメント

  1. […] […]

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