子どもの考える力を育てる「対話」のすすめ…会話との違いや対話のコツも紹介

子育て相談
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これからの時代を生き抜くために「自分で考える力」は必須です。予測不能な社会において、自分の頭で考えて行動したり問題を解決したりするスキルは欠かせません。
どんなに小さな幼児でも自分なりに「考える」ことはしています。子どもの「考える力」を伸ばす対話の方法について紹介します。

「6歳の娘です。言われたことは素直に聞いてきちんとできるのですが、自分で考えて行動することができません。自分で考える力を育てるにはどうしたらいいでしょうか?」

今回は、このような相談にお答えします!

考える力を育てる「対話」のすすめ

考える力とは
その名の通り「自分の頭でよく考えること」です。誰かが言ったこと、何かに書いてあることに従うのではなく、自分が持っている知識や情報を関連づけながらじっくりと考え、自分で答えを出すことです。
先の見えない時代だからこそ「自分で考え行動する力」は強力なスキルとなります。幼児のうちから育てておくことが大切です。

対話のすすめ
考える力を身につける方法として、もちろん座学での「勉強」も有効です。でも、日々の対話の基本をおさえ、コツを意識を変えるだけで考える力はぐんぐん伸びていきます。考える力は一夜漬けで身につくものではありません。日々考えることを積み重ねることで養われます。子どもにとって、日常生活は学びのチャンスに溢れています。対話もその一つです。考える力を育む機会を逃さない手はありませんね。

対話と会話の違い
対話と会話は似ていますが、その意味合いは異なります。筆者は以下のようにとらえています。
・対話…二人が向かい合い内容を共有しながら話すこと。関係性を築くためのコミュニケーション
・会話…二人以上で話を進めること。日常のとりとめのない内容も含む
考える力を育てるには、対話がおすすめです。相手と向き合う、相手の話をきちんと理解する、自分の知識を活用して返答を考える、相手に伝わるように話す、この体験の繰り返しが大切です。自分の出した答えが相手に伝われば自信になります。相手の出した質問に答えれば問題解決能力が育ちます。「会話」ではなく「対話」を意識することで、子どもの考える力を伸ばしましょう。

子どもとの対話のコツ

対話の原則
対話の原則は「まずは受けとめる、そして問いかける」です。対話をする場合、まずは受けとめましょう。子どもがどんな考えを言ってきても、頭ごなしに否定することは厳禁です。正解か不正解かということより、自分で一生懸命に考えて答えを出したことが重要です。十分に認めてあげましょう。考えが否定されると、考えることが嫌になり考えを伝えることに憶病になってしまいます。
その上で、さらに考えたくなるように問いかけてみましょう。どんな質問をしたらいいか迷う場合は、「どうしてそう思ったの?」と理由を尋ねることがおすすめです。

とにかくたくさん話し合う
「話し合う」と言っても、議論を交わすとか会議をするなど大げさな話ではありません。日常会話中で「〇〇ちゃんはどう思う?」と子どもの意見を聞く言葉を追加するだけで十分です。
例えば、「明日はパパの誕生日だね。誕生日のメニュー何にしようか?」と投げかけると喜んで考えてくれると思います。また、「●●ちゃん(下の子)が夜中に泣いちゃうのよね。どうしたらいいかな?」のように、ご自身が考えた上で本当に困っていることを率直に相談してみてもいいでしょう。気持ちも晴れると思いますし、予想外の子どもの考えに勇気をもらえるかもしれません。
1つの事柄に対する考えは人それぞれ、多種多様です。考える力を伸ばすには、自分の考えだけでなく様々な考えに触れることも重要です。気軽な気持ちでたくさん話し合うことが有効です。

言葉で語るクセをつける
思考と言葉は表裏一体です。考えるという作業は言葉をしっかり使うことがカギです。言葉には曖昧な表現がたくさんあります。日本語の美しさの特徴でもありますが、考える力を養う目的の場合は、具体的ではっきりとした言葉で語るクセをつけることが効果的です。
例えば、「~くん、幼稚園ですごかったんだよ!みんなすごいって言ってた!」と話してきたら、話を受けとめてから、「すごいって何がすごかったの?」「みんなってクラスの子全員?」「~くんを見てどんな気分だった?」と問いかけてみましょう。明確に言葉にする練習になります。

気持ちを言葉で表す
子どもは、泣いたり、癇癪を起こしたり、急に笑い出したり、喜怒哀楽の感情を体全体で表現します。同時に、自分の感情をコントロールする力は未熟です。でも成長するにつれ、自分の気持ちと向き合い、折り合いをつけながら課題を解決する力が必要になります。
ゲームに負けて大泣きしていたら、子どもの気持ちに寄り添いつつ泣いてしまった原因を聞き出してみましょう。言葉で表すことで自分の気持ちを把握することができます。

「正解」をすぐに出さない
子どもに質問された時、すぐに正解を言わないようにしましょう。子どもが考えるチャンスを奪ってしまいます。
間違った行動をしそうな時、忘れていそうな時、難しいことにチャレンジしている時なども同様です。
例えば、幼稚園の帽子をかぶらずに家を出ようとする子には、「帽子かぶってないわよ」と言うのではなく「忘れ物はない?」と問いかけるといいですね。自分で考えて行動する力につながります。

子どもの答えを先取りしない
子どもがじっくり考えている時は、口を挟まないことが大切です。中には、考えるのに時間がかかる子もいますが、その様子を察知して子どもの考えを代弁することは避けましょう。大人が先に言ってくれる(考えてくれる)という習慣がついてしまうと、自分で考えなくなってしまいます。

自分の発言に責任感を持たせる
自分で発言したことには、責任を持たせることも教えましょう。考える力だけでなく、生きる力にもつながります。
例えば、「ケーキを選ぶ順番、どうしようか?」と問いかけ、子どもが考え「ジャンケンにしよう」と発言したとします。その後、ジャンケンで負けて好きなケーキが選べなくて大泣きしたとします。その時に気の毒だからと言って「パパのをあげるよ」と対応するのではなく、「ジャンケンで決めようって言ったのは〇〇ちゃんだよね」と自分の発言を思い出せるようにするといいでしょう。この経験が、しっかりと考える力を育てます。

最後に

自分で考え行動することは、子どもの自立を促します。
今そしてこれからは、答えが1つではない時代、正解がコロコロと入れ替わる時代です。そのような時代の中で、子ども自身がよりよい人生を送るには、自分の頭で考える力が欠かせません。
「受けとめる→問いかける」の原則を意識しながら対話を重ね、幼児のうちから「考えるクセ」を養うことが大切です。幼児期に身についた「考えるクセ」は一生もののスキルになると思います!

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