兄弟姉妹がいれば、そこに喧嘩はつきものです。「お姉ちゃんがリモコンとった~」「〇〇が私のえんぴつ勝手に使ったー」など、大人からしたら「そんなことで」と思うような理由で喧嘩が始まります。新型コロナウィルスの影響で家族の在宅時間が長い今、喧嘩の回数も増えているかもしれません。お悩みの声も多い兄弟げんかについて触れていきます。
「6歳の息子と4歳の娘がいます。喧嘩が絶えません。ある程度はしょうがないと思いながらも、互いに手加減をしないので心配になります。私自身もグッタリ疲れてしまいます。兄弟げんかが止まらない場合、どのように対応したらいいでしょうか?」
今回は、このような相談にお答えします!
兄弟げんかの捉え方
兄弟げんかは必ずしも悪いことばかりではありません。友達同士の喧嘩ともまた違いますね。兄弟げんかに対する捉え方を確認しておきましょう。
成長の機会として
兄弟げんかは、社会性を育む貴重な機会です。兄弟姉妹だと思い切り相手にぶつかっていくことができます。自分の思いもダイレクトに伝えることができます。容赦のない激しい喧嘩を見ると心配になってしまうかもしれませんが、安心してぶつかることのできる相手はなかなかいません。
特に幼児期の喧嘩はたくさん体験することで、人との関わり方を学ぶ良い機会になります。幼児期の兄弟げんかは、体全体を使って思い切りぶつかりますので、ストレス発散にもなっています。
親が見守りながら、兄弟げんかを貴重な成長の機会としてとらえましょう。
友達同士の喧嘩との違い
兄弟姉妹は、体当たりで手加減をすることなく喧嘩をします。これは、家庭が安心できる場であり、家族を信用している証でもあります。
友達同士ではそうはいきません。喧嘩をしながらも気を遣い、加減をしているものです。自分を思い切り出して自由に発言できるのは、兄弟姉妹だからなのです。
毎日一緒に生活する中での喧嘩ですから、喧嘩後の相手の反応や様子の変化にも気づくことができます。結果、相手の気持ちを考えたり、自分の発言を反省したり、手加減したりという経験を積むことができます。兄弟姉妹の存在は有難いですね。
原因
なぜ兄弟げんかをするのでしょうか。原因は様々ありますが、子どもによく見られる理由は以下の通りです。
・兄弟姉妹をライバル視しているから
・両親に構ってほしい、甘えたいから
・外でがんばってきたストレスが発散されるから
対応のポイント
兄弟げんかが成長の機会と思っても、やはり気になるものです。周りの大人はどのように関わればいいのでしょうか。対応のポイントをみてみましょう。
基本は成り行きを見守る
基本、親は仲裁をしないことがおすすめです。少々の喧嘩であれば成り行きを見守り、子ども達自身で解決させましょう。
怪我につながりそうな場合や他人に迷惑がかかりそうな時など、あまりにもエスカレートした場合は、間に入って態勢を立て直してあげてください。
その場合も、落ち着かせて話し合う環境に整えるのみのサポートです。子ども同士で話し合って解決させるようにすることがポイントです。親が解決をしてしまうと、困ったら親に言えばいいという依存傾向が強くなってしまいます。
子どもと一緒にルールを決めておく
子どもたちを交えて、喧嘩の際のルールを決めておきましょう。親が間に入る時の基準にもなりますし、子ども自身も納得します。
兄弟げんかが学びの機会とは言え、暴力はNGです。必ずルールに入れてください。
子どもと一緒に、叩く、蹴る、ひっかく、噛む、髪を引っ張る、つねる、ものを投げる、汚い言葉を言うなどやってはいけない言動を具体的に挙げてみましょう。家族全員で考えながら、ルールを決めるといいですね。
ルールを破った場合は、毅然とした態度で諫めましょう。喧嘩を通して、ルールを守る力も身につきます。
親がジャッジをしない
喧嘩の最中に「相手の否を訴え、お兄ちゃんが悪いよね?」「僕が合ってるでしょ?」と親の判断を求めてくる子もいます。
喧嘩には「勝ち負け」という概念ないものと考えます。家庭内で権力のある親がジャッジをしてしまうとケンカが勝負になってしまいます。 悪いと判断された方は負けたと感じ、その気持ちが強まれば仕返しをしたいと思ってしまいます。もちろん、力で押さえつけるのもNGです。
喧嘩は、それぞれが自分の正義を持ってぶつかっています。言い分を伝えあい、自分たちで解決できるように導いてあげることが大切です。時には、親が代弁者になって自分の思いを相手に伝えるサポートをしてあげましょう。
親の役割は「代弁」
エスカレートし仲裁に入る必要がある場合の親の役割は代弁です。子ども同士のの思いがきちんと伝わるためのサポートです。まずは、それぞれの言い分をしっかり聞きます。そしてそれを相手に伝えさせます。
ただ、幼児にとって気持ちを言葉で伝えるのは難しいことです。またヒートアップしている中で冷静に話すのも大変です。うまく話せない場合は、親が代弁者になって相手に伝えてあげましょう。
一方ばかりを叱らない
上の子の方が知能面でも体力面でも勝っています。そのため、つい「お姉ちゃんなんだから譲ってあげなさい」と、上の子に我慢させたり、叱る回数が多くなったりします。それは、上の子にとっては理不尽に感じます。悪いことをした時は、兄弟姉妹関係なくきちんと叱りましょう。もし「上の子ばかり叱っていたかも…」と感じていたとしたら、上の子の前で下の子を注意してください。その姿を見れば上の子は自分ばかりではないんだということに気づき、安心するでしょう。
多すぎる場合は、家庭外の状況にも目を向ける
回数が多すぎる場合や、急に乱暴になるなど喧嘩の仕方が変化した場合は、家庭外の状況にも目を向けましょう。園や習い事などで強いストレスがあり、それが兄弟げんかとなって表れている場合もあります。先生に相談してみることをおすすめします。
最後に
社会に出ると、いろいろな人と付き合っていかなければなりません。様々なもめ事やトラブルにも出遭います。
兄弟げんかを通して、すべてが思い通りにいくわけではないこと、理不尽なこともあること、相手と自分の思いが違う場合があることなどコミュニケーションの基礎を培うことができます。
社会生活の練習をしていると考えて、できるだけ見守り、時には代弁者になりながら、子どもの成長を後押ししてあげたいですね。
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