子育てをしていると、笑ってばかりはいられません。時には毅然と叱る必要も。ついつい感情的になってしまって後悔…ということもあるのではないでしょうか。
「ついカッとなって、子どもを怒ってしまいます。そしてその後、子どもが泣く姿を見て自己嫌悪に陥ることがあります。感情的に怒ってしまった時はどうしたらいいでしょうか?」
今回は、このような相談にお答えします!
叱ると怒るの違い
大前提として、叱ると怒るの違いを理解しておきましょう。
叱る…子どもの自立を促し、よい方向へ導くための行為
怒る…自分の感情を相手にぶつける行為
「叱る」は相手のための行為、「怒る」は自分のための行為ということもできます。
似てるようでいて、まったく違う行為ということがわかりますね。
子どもは日々「してはいけないこと」をするものです。
その時は、アドバイスをし良い方向へ導いてあげることが大切です。
そのために必要なことが「叱る」です。
感情的に怒ってしまった時の対応
親だって人間です。イライラすることもあります。
感情が出る瞬間があるのは当然のことです。自分を責めすぎないようにしてくださいね。
感情的に怒ってしまった、理不尽な怒り方だった、手をあげてしまった…そんな時は、素直に「ごめんね」と謝りましょう。
感情的になったことに対して謝ることがポイントです。子どものためにやった「叱ったこと」に対してではありません。
その場で謝るのが一番です。
すぐに冷静になれなかったら、無理にその場で謝らなくても大丈夫です。気持ちを整えてから謝りましょう。
時間が経ってもいいので、後できちんと謝ることが大切です。
謝ることのメリット
親の気持ちが軽くなる
親は、素直に「ごめんね」と言葉にすることで気持ちが軽くなります。
子どもは、その言葉を聞いてホッと安心できます。そして許してくれます。
子どもが親の一面を知ることができる
子どもは、パパやママだって感情的になることがあるんだということを感覚的に知ります。大人だって怒ることを少しずつ理解します。
子どもの学びになる
親のきちんと謝る姿は、コミュニケーションのお手本になります。
また、親の謝る姿を見ることで、子どもは感情的に怒り過ぎるのはよくないことなんだと学べます。
叱り方のコツ~良い叱り方~
まずは子どもの言い分を聞く
大人を困らせる行動に見えても、子どもの行動には意味があります。
いきなり叱るのではなく、まずは「どうしてそんなことをしたの?」と子どもの思いを聞きましょう。
子どもの行動には意味があります。行動の裏側にある子どもの言い分が見えてくると、親子ともにラクになります。
また、子どもの気持ちに寄り添うことが「自分を見ていてくれる」「認めてくれている」という実感につながります。その積み重ねが自己肯定感を育みます。
叱った理由を言葉で説明する
なぜ(パパやママが)叱ったのか、理由をきちんと説明しましょう。
根気が必要ですが、子どもが納得できるようになります。
丁寧に伝えていくことで、物事の良し悪しの区別がつくようになります。
叱ることは伝えること。「いい加減にしなさい!!」と怒りの感情で黙らせても、根本的な解決にはならず、その後の成長にはつながりません。
やってしまった直後に叱る
時間が経ってから叱っても、子どもは覚えていない可能性が高いです。
正しく伝え、子どもの理解につなげるためにも、「その時その場で」というタイミングを心掛けましょう。
他人がどう思うかではなく親の思いを伝える
ついやってしまいがちなのが「お店の人に怒られるからダメでしょ」などの叱り方。
(他人がではなく)親の自分がどんなに悲しい気持ちでいるかを伝えることで、子どもの心に響きます。
叱った後にフォローする
改善が見られたら必ずほめましょう。
子どもの様子をよく観察し、叱った行為が少しでも改善されたら、すぐにほめるようにしましょう。
叱った後、早く切り替えることも重要です。
「わかったよね。この話はおしまい。さあお風呂に入ろう」と、叱った後は気持ちを切り替えて、普段の行動へ戻りましょう。
叱り方のコツ~悪い叱り方~
人格を否定する
これは、絶対にやってはいけないことです。
叱るのは、人格ではなく行動に対してです。
「情けない子ね」「ずるい子なんだから」「嘘つきね」などと言われると子どもは深く傷つき、長く引きずる恐れもあります。人格否定の言葉には注意が必要です。
問い詰める
大人が理詰めで叱り続けると、子どもは口を閉ざすしかありません。
「なぜやらないの?」「なぜ同じ間違いをするの?」…と「なぜ」「どうして」の連発は、子どもの思考を停止させます。
「何か言われて怖かった」という感覚だけが残り、伝えたいことが何一つ響かないという結果になってしまうかもしれません。
他の子と比較する
当たり前のことですが、子どもは全員違います。
他の子と比べるのはナンセンスです。
「お姉ちゃんは自分でできたのに」「同い年のAちゃんはひらがなが書けるのに」などと言われ続けると、ひがみやすい子になったり、Aちゃんを嫌いになったりする恐れがあります。
言うことに一貫性がない
基準を決めたら、その後の対応もブレることなく貫きましょう。
叱られる度に基準が変わると子どもは混乱し、やがて言うことを聞かなくなってしまいます。
最後に
感情的に怒って後悔した時や叱り方で反省した場合は、素直に「ごめんね」と謝ってしまいましょう。素直に謝ることは、親にとっても子どもにとっても、マイナスではなくプラスになります。親が反省する姿を見るのも、子どもにとっては人生勉強のきっかけです。前向きにとらえてくださいね。
そして、叱ることとほめることをセットで考えることもおすすめです。つい怒りすぎてしまった…という後悔も減ると思いますよ。
コメント